「音楽って愉しい~」でいいのだろうか?
戦後の沖縄県の娯楽・芸能をリード、笑いと音楽で独自の境地を開いた沖縄芸能界の「巨人」である照屋林助さんのドキュメンタリー番組を見ました。
彼は自分の「お笑い」や「音楽活動」について「哀しみ」と「汗」と「涙」という言葉で表現していました。
「音楽は愉しい!」なんて、ノー天気に音楽をやっていた私は、頭をガーンと殴られた思いでした。
「音楽は決して愉しいものではない」
「哀しみ」と「汗」と「涙」を歌うものだ!
救いようのない悩み、苦しみ、涙を歌に込めて祈るのだ!
歌い、涙し、救いと安らぎを希求する、それこそ音楽なのだ。
そこには「愉しい」なんてものは存在しない。
現在世の中にはびこっている「愉しい音楽」というものは
「商業的・興行的」に、意図的に作られたものであったり、
遊興の場での便利音楽であったり、
意図的に人を操るために作られた音楽であったり、
ゲームやパズルのような「お遊びの音楽」であったり、
等々、そんなところから由来しているのがほとんどである。
「愉しい音楽」は、つかの間を「ごまかし」は出来ても、世の中変える力とはならない。
人間の奥深い「哀しみ」と「汗」と「涙」を歌う音楽は、必ず、遠い将来を変える力となるだろう。