大人になっても指導、助言は受け入れるほうがいい?

昔、一緒に音楽を学んでいた同輩で、自分が演奏する音楽会の直前まで師匠のレッスンを受けなければ気の済まない人がいました。

音楽会の当日でさえ、午前中にレッスンを受け、午後に音楽会で演奏するというような離れ技をしていました。

私は、そんなことをして、自分の音楽的な考えは整理できるのか~? 
と、その人の行動に疑問を抱いていました。

人前で演奏するには、じっくりと自分自身で納得のいくまで構想を練らなくてはいけない。
そのためには、たとえ師匠であっても、いつまでも意見やアドバイスに頼っていては駄目だと考えていました。

しかしフィギュアスケートなど、スポーツの世界では、直前であろうとなかろうと、いつでも監督やコーチのアドバイスを受け入れながら向上を目指しています。
それを繰り返しながら自己の世界を作り上げているのを見て、音楽の演奏もしっかり師匠や他の人の指導、アドバイスを受け入れるべきではないかと考えを改めさせられました。

自分の発する音が、遠くにどう聴こえているかということなど、本人では判断出来ないことがいっぱいあります。

大学を卒業時は素晴しい演奏をされていた人が、師の指導を離れてしまうと音楽構成がきちんと出来ず、うまく演奏出来ていない場合があるようです。

「卒業したのだからもういつまでも指導、助言を求めてはいけない。」
という考えが「自立」ということではない。

ということに、今、あらためて思い至ります。