“田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」” Ⅰ

田舎の古民家でパン屋をする渡邊格さんが、“田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」”という本を出版しています。
 
天然酵母が発酵することで強い生命力を発揮するのを見て、
農業も農薬を使い続けると土がだめになり、生命力の強い食材が育たなくなる。
 
さらに地方創生ということで、ただ公共事業や補助金と称して、金をばらまく国の政策も、ダメだと言っています。
 
外注業者による町おこしや、イベントは一見活性化したように見えるけれども、潤うのは外側の人間だけで、地方は豊かにならないと言っています。
 
我が県はオマチュアオーケストラ活動が活発であることを全国に誇れる県でした。
ところが、近年、県主導による「記念オーケストラ」たるものが発足しました。
実態は「外注業者によるオーケストラ」のようです。
 
「生の音楽を聴く機会のない地方の人達に、レベルの高い音楽を」、ということは
素晴しい政策で、異論の余地はなさそうですが‥‥。
 
しかし、本当に必要なのは酵母が自分から強い生命力を発揮するのと同じように、地方の人自らが夢を持ち、生き生きと生きる力を発揮することが大事なのです。
 
こうした公共事業が真に地方の為になるのかは未知数です。
「ばらまき政策」の典型にならなければよいと思います。
「ばらまき」は、農薬の「ばらまき」に通じ、やがては枯渇する運命をたどると思うからです。
 
渡邊格さんの、“田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」”という本を読むと、そうした行政が如何に矛盾をはらんでいるかを考えさせられます。