世界的に活躍する彫刻家の速水史郎氏は、
香川県の多度津中学校で理科と数学の先生をしていましたが、美術の教諭の影響で粘土に触れる楽しさに目覚め、彫刻の道に邁進することになったそうです。
音楽の教諭をされていた奥様とは職場恋愛で結婚されました。
そんな速水先生ご夫妻から、中学時代に教えを受けた我が妻の縁で、私が多度津町の古民家でコンサートを開催した折に、ご夫妻で聴きに来て下さいました。
コンサートの後で速水先生から
「貴方の演奏には一音一音に意味が込められていますね!」
と仰って下さいました。
音楽を専門にやっている人間でも、なかなか口に出ない深い批評に驚かされました。
奥様は既に亡くなられたそうで、愛妻家だった先生なので、すっかりお元気をなくされているのではないかと心配申し上げていましたが、
新聞でお元気なお姿を拝見し、あの高評のお言葉と笑顔が忘れられません。