合唱の基本とは?

合唱人にとっては、6月中旬から夏場にかけてとても忙しい時期です。
「おかあさんコーラス大会」、「カンタート」、「合唱祭」、「コンクール」~と、
なかには、すべての行事に出場している人もいるでしょう。

合唱人口はそんなに多くはない筈ですが、長年にわたって合唱を続けている方、いくつかの合唱団に掛け持ちで参加される方、そんな熱心な合唱愛好家の方々のおかげで、合唱はづっと盛況を保ち続けています。

そんなに合唱が好きなのは一体何故なのでしょう?

一連の催物をづっと興味を持って聴いていて感じたのは、それは日本の合唱が演歌の影響を強く受けているということでした。

演歌だけという訳ではないのですが、日本人は基本的に音楽をまず歌詞から理解し、その歌詞をより高揚させてくれるメロディーがあれば、なお心から感動して歌える、という方向性で音楽を享受しています。

「カラオケ」や「唱歌を歌う会」が盛況なのはそんな日本人独特の音楽の捉え方があるからでしょう。

そんな訳でしょうか、一人一人がステージの上でも自分の世界に浸り、楽しんで歌っています。
そして、あまり、隣の人との協和ということには関心を持たないままで充分満足しているようです。

ただ、メロディー優先のやり方は、時々度を過ぎ、感情過多になってしまい、せっかくの美声を損ない、音程も忘れて歌ってしまう恐れがあります。

さらに、指揮者が輪を掛け、オーバーに指揮し、感情過多に拍車をかけてしまう団体も見かけました。

6月の「カンタート」で、指導に来られていた岡崎高校指揮者の近藤恵子先生が指揮をすると、それまで大げさに歌っていた方々が、スッと冷静になり、ハーモニーがきれいになるのが不思議でした。

西洋の合唱は教会のミサ、讃美歌を元に始まっているので、メロディーよりもハーモニーを大切にします。
ハーモニーを大切にしようとすれば、気張ったり、感情を過多に入れ過ぎることも生じ難くなります。
そんな違いを近藤先生はまざまざと見せてくれました。

メンバーを冷静に歌わせるという指揮のコツを、もっともっと指導して欲しく思いました。
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