蝶になりたい

ちょうちょう  ちょうちょう 菜の葉に とまれ
菜の葉にあいたら、桜にとまれ
桜の花の 花から花へ
とまれよ 遊べ、遊べよ とまれ。
 (唱歌「ちょうちょう」1945年改作版)
     ◇
 誰もが知るこの唱歌、飽きること、休むことまで大らかに肯定する。
子どもは我を忘れて何かに熱中しているさなかにも別の兆しにさっと感応する。
学者や芸術家のとらわれのなさにもそういうところがある。

「お」を付けて丁寧に「お遊び」と言うと、逆に、何の裏づけもないただの自己満足、本気でないただの暇つぶしといった揶揄(やゆ)になる。
大人の世界は何とも屈折している。
 
 (鷲田清一  折々のことば:361 より)

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