日本人の音楽感性

日本人の音楽的感性と西欧人の音楽的感性には大きな差を感じます。

それは永年培われてきた宗教、思想、道徳、そしてそうした土壌の基に生まれる生活習慣、食生活などから生じて来ていると思います。
要因は際限なく在ります。
そのことを考えると、日本人の演奏と欧米の方々の演奏の違いがあるのは当然であって、それでもって優劣を考えたりすることは間違っています。

音楽は体型、姿勢だけでも人によって差異が生まれてきます。
指揮者の体型で中学生のバンドでも音が変わります。
そして、体型は食生活や、思想によっても差異が生まれて来るように感じます。

また、クラシック音楽の土壌はキリスト教にあります。
日本の宗教が自己を鍛え上げて仏になることを目指すのに対して、
キリスト教は神を信じて、神に全托することによって幸福を得ます。
愛と幸福を求めることはキリスト教の最高目標ではないかと思います。
キリスト教の音楽は慈愛と、優しさ、柔らかさに満ちています。

比して、日本の宗教は「愛だの、恋だの」より、日々修練、艱難辛苦を求めることを美とします。
こうした違いから生まれる音楽も当然差があるのは当然と言えるでしょう。
生粋の日本人には音楽上の「愛の表現」はあまり上手とは言えません。
ですが、瞑想的な表現は素晴らしく上手に演奏します。