チャイコフスキーはすごい!

高校時代にチャイコフスキーに魅せられ、以来、オーケストラでチャイコフスキーが吹けたり、指揮出来るのはこの上ない幸せなことでした。

思いが嵩じて、なんと吹奏楽でもチャイコフスキーに挑戦してしまいました。

同僚だった作曲家のM澤先生から「吹奏楽チャイコフスキーをやるなんて~」と、こっぴどくお叱りを受けました。

にもかかわらず、やりたい一心でやってしまった‥。

結果は、底知れぬチャイコフスキーの偉大さに気付かされるばかりでした。

チャイコフスキーの音色は完璧で、すでに完結しており、俗人がそれに手を加えるなんて空恐ろしいことでした。

無謀に編曲すれば、どんどん美しい音色が損なわれていきます。

チャイコフスキーに限らず、モーツアルトも、ベートーヴェンも、シューベルトも、みなすごい作曲家です。

その人の音を真似したり、手を加えたりすることが出来ないということからでも、その偉大さの片鱗を感ずることが出来ます。

一時、クラシックの大作曲家の曲を吹奏楽に編曲して演奏するという時代がありました。
今は、ほとんどそれは見られなくなりました。 ホッとしています。

ただ、現在の吹奏楽曲はコンクールを目的として作曲されることが多く、そのため、華やかで、威勢がよく、外面的なインパクトの強さを狙った曲が多いようです。
(こういう曲の中で育つ子供たちを想像すると、あまりいい心地がしません。)

早く、芸術的なレベルで、大作曲家の深遠さを満足させてくれるような曲がたくさん生まれて欲しいと思います。