バイトと就活だけでいいの?

中学校時代に尊敬する先輩がいた。
バレーボール部のよき先輩であり、生徒会会長もつとめ、勉強もいつもトップクラスであった。
その先輩は、毎朝一番に登校して、学校で勉強をしていた。
家族が多い上、家が狭く、家では勉強が出来なかったからだ。
そんな、模範生だった彼が、中学卒業とともに「集団就職」で、大阪へ丁稚奉公に行く、と知ったとき私は衝撃的な世の中の矛盾を感じたのを思い出す。

それから、私が中学を卒業するまで毎年、同じように、尊敬していた先輩や、仲の良かった同級生が集団就職ということで旅立って行った。

その頃は、クラスの半分くらいが集団就職だったのに、今はほとんどが大学まで進学するようになった。

あの頃の立派だった先輩や友達が、今の時代のように進学出来ていたら、彼らはまた違った豊かな人生を送れていただろうな‥、と思うと悔しい気がする。

現代の若者が、楽々と大学生活を過ごしているのを見ると、あの時の「悔しい矛盾」を思い出す。