可愛そうな中高生

戦後、昭和20年を境に、新しい音楽教育がスタートしました。どんどん教育方法が研究され、教育効果も上がっている筈です。
 
ところが、先月不思議な光景を目にしました。10月はお祭りの季節で、あちらこちらでお祭り神輿に出くわしましたが、
何と!、やっているのはおじさん、おじいちゃんばかり、子供の姿がまったく消えているのです。  
こんな物珍しい、騒がしい、愉しいものには子供たちは放っておいても群がってくる筈なのに‥。 
 
そういえば、「音楽会場」にも同じように中高生の姿がありません。  
 “中高年”ばかり  (洒落!)
 
こんなことでいいのでしょうか?
私が子供の頃は、親戚からお祭りに招かれたと申し出れば、学校は早退させてくれました。(本当ですよ)
だんじり、獅子舞、屋台店を回って嬉々と遊びました。
相撲大会にも飛び入りで出場し、5人抜きをやりました。
こんなおおらかで、理解のある学校は今はもうありません。
 
何が言いたいか‥、と言えば
生の体験を推奨する教育でなくてはいけないということです。
教室でCDを聴いて鑑賞~、それでおしまい。 では、いけないと思います。
缶詰を食べさせて平気の先生ばかりでは困るのです。
新鮮な、美味しい野菜や、魚が目の前にいっぱいあるのに缶詰を食べさせているのと同じです。
 
トンネルのなかで声を出した時の不思議な響きを思い出してみましょう。
滝壺の真近に行った時の、あの迫力ある轟音を思い出してみましょう。
CDなどでは味わえない本物の音があります。
そういう音こそが、魅力があって、情操教育に役立つと思うのですが‥‥。
中高生の時代にこそ、コンサートホールで生の、素晴らしい音を聴かせてあげたい。
「勝ち負け」や「損得」や「効果」や「効率」といったもの抜きで‥。