広島県の名酒三題

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清酒 雨後の月
 広島県の仁方地方から三原地方までの瀬戸内海沿岸地方は、広島酒発祥の地として知られ、古くから多くの造り酒屋があり、特に明治の初期、この地方の篤醸家三浦仙三郎氏が長年にわたり苦心研究の結果、花崗岩地帯を浸透する良質の軟水を利用した独特の軟水醸造法は、のど越しの良い甘口酒をかもすことに成功し県内外に広め、今日の広島酒の名声を不動のものにしました。
 清酒「雨後の月」相原酒造㈱は、こうした天与の好条件、歴史的背景を持つ安芸の国随一の良港仁方の地で、明治8年酒造行を始め、依頼百余年の歳月酒一筋に品質の改良、醸造技術の研鑚に励み、徳富蘆花の「自然と人生」の短編題より二代目相原格が命名した「雨後の月」は、このロマンチックな酒名とともにまろやかな舌触りと絶妙なコクを誇る銘酒として親しまれています。口当たりはフルーティーなワインという感じで、日本酒の吟酸感もほど良く残しながらすっきりとした透明感のある酒です。
東広島市西条本町。厳島神社の奉納酒。平成22年から販売を始めた。化粧箱のパッケージには、広島出身の日本画家である故・児玉希望氏の代表作の一つである「日本三景図」の一部である地元廿日市市宮島町の「安芸の宮島」を採用した。
 厳島は、広島県北部芸備北高原で栽培された酒造好適米を100%使用し、仕込水には賀茂山系の天然伏流水を使い寒中じっくり醸しました。ふくよかな果実の香りと芳醇な旨口が調和する濃醇な広島らしい旨口の吟醸酒です。
 
亀齢酒造 純米吟醸-綺麗 
酒は百薬の長。それを口にして、亀のごとく長く生きるということから、もとは「吉田屋の酒」として親しまれていたものを、明治初期に長寿を願って命名されたそうです。その後全国にその縁起の良い名が知られることになり、大正6年の全国清酒品評会で、「月桂冠」や「賀茂鶴」とともに、日本初の名誉賞を受賞した。亀齢酒造のお酒は、「広島県内の中では最たる辛口の酒」と言われている。昔は甘い・辛いの差しかなかったが、今は味のある酒、コクのある酒に飲み手の嗜好も傾いてきている。 会社の入口には、仕込み水に使われている龍王山の伏流水が出ている井戸があるそうです。自家の井戸より汲み上げた中硬水と、厳選された酒米とを用いたそのお酒は、こくとキレがあり、西条酒の中では、辛口、すっきりした味が特徴です。亀齢のお酒は、数字だけで見ると酸が高いのですが、飲むと全くそんな感じがしません!